確定申告を会計事務所に頼んでいる個人の卸が思う、
頼むか自分でやるかの線引き
2026年9月27日
私は個人で金属加工品の卸をしていて、確定申告は会計事務所にお願いしています。
このサイトでは「税務は税理士か税務署へ」と何度も書いていますが、それは私自身がそうしているからです。
頼んでいる側から見た、頼むと何が消えて、何が残るかを書きます。
頼んでも、自分に残る作業
ここを誤解すると「頼めば何もしなくていい」と思ってしまいます。会計事務所に渡すのは材料で、材料を作るのは自分です。
- 売上と仕入・経費の記録。いつ・誰に・いくら。これがないと事務所も帳簿を作れません。記帳代行を頼む場合でも、元になる請求書・領収書・通帳は自分がそろえます。
- 請求書の控えと、受け取った請求書・領収書。保存の義務は自分にあります(手書きの請求書でインボイス)。
- 年末の在庫。数えるのは自分です。事務所は数えに来ません。
- 事業と私用の区別。どの支払いが事業のものかは、自分にしか分かりません(口座を分けると、ここがほぼ自動で片づきます)。
このサイトの売上・仕入帳は、この「残る作業」の側の道具です。
頼むにしても頼まないにしても、日々の記録は自分で持っておく必要があります。
頼むと、消える作業
- 複式簿記の仕訳と、貸借対照表・損益計算書の作成(青色55万・65万円控除の要件。Excelの帳簿と確定申告)
- 減価償却、家事按分、在庫の評価など、判断の要る計算
- 消費税の申告(課税事業者の場合。インボイス登録をすると、これが毎年付いてきます)
- 申告書の作成と提出、期限の管理
- 「これは経費になるか」を、聞ける相手がいること
費用の目安
税理士の報酬に決まった料金表はありません(2002年に報酬規定が廃止されています)。
紹介サイトや会計ソフト各社の説明では、個人事業主の場合、申告書の作成だけなら年5〜10万円前後、記帳代行を含めると月1万円〜が加算されるという目安が示されることが多いです。
売上の規模、取引の量、記帳をどこまで自分でやるかで大きく変わります。
私が払っている金額は、事務所との個別の契約なので書きません。上の数字は公開されている目安です。
頼む線引き(私の見方)
次のどれかに当てはまったら、頼む価値が出てくると思います。
- 消費税の課税事業者になった。インボイス登録をした人はここに入ります。消費税の申告は所得税より間違えやすく、間違えると追徴が出ます。
- 青色55万・65万円控除を取りたい。複式簿記を自分で覚えるか、会計ソフトに覚えさせるか、人に頼むか。控除の差額(10万円控除との差45万〜55万円の所得控除)と報酬を比べて決めます。
- 在庫がある、設備を買った、人を雇っている。棚卸・減価償却・給与の計算が加わると、独学で毎年正しくやるのは重いです。
- 申告に使う時間を、商売に使ったほうが稼げる。申告に何日かかっているかを数えて、その日数で売上がいくら立つかと比べます。
逆に、売上が小さく、在庫も設備も従業員もなく、白色か青色10万円控除で足りるなら、Excelの帳簿と国税庁の確定申告書等作成コーナーで自分でやるのは、十分現実的です。
頼むときに決めておくこと
- 記帳をどこまで自分でやるか。「記録は自分、仕訳と申告は事務所」が、費用と手間のバランスとしては一般的です。
- 渡す形。紙で渡すのか、会計ソフトを共有するのか、Excelの表でよいのか。事務所ごとに得意な形があるので、最初に聞きます。
- 年1回か、毎月か。申告だけなら年1回。相談したいことが多いなら顧問契約(月額)。
探し方は、知り合いの紹介、商工会議所、税理士紹介のサービスなどがあります。
紹介サービスは無料で複数の事務所を比べられるものが多いですが、私自身は使ったことがないので、使い勝手については書けません。
私は税理士ではありません。この記事は、頼んでいる側の一人としての整理です。費用や線引きは人によって違うので、自分の場合は事務所に直接聞いてください。
参考にした資料