Excelで付けた帳簿は確定申告に使えるか
白色・青色10万・55万・65万の線引き

2026年9月27日

このサイトで配っている売上・仕入帳や家計簿はExcelの表です。 「これで確定申告できるのか」と聞かれると、答えは「どの控除を狙うかによる」です。 線引きを国税庁の資料で確かめて、Excelがどこまで使えるかを書きます。

私は税理士ではありません。以下は国税庁のタックスアンサーと電子帳簿保存法の説明を読んで整理したもので、自分の場合の判断は税務署か税理士にご確認ください。

まず、記帳は全員の義務

白色申告でも、事業所得がある人には記帳と帳簿の保存が求められます。 書くのは、売上などの収入、仕入や経費について、「取引の年月日・相手の名称・金額」と、日々の売上・仕入・経費の金額です。 帳簿の形式は決まっていないので、Excelの表でも、ノートの手書きでも構いません。 保存は、収入と経費を書いた帳簿が7年、請求書・領収書などの書類が5年です。

つまり、売上・仕入帳のように「日付・相手先・内容・金額」が1行ずつ残っていれば、白色申告の記帳義務はそれで満たせます。

青色申告は、控除の額で要件が3段階

控除帳簿に求められることExcelで届くか
10万円 青色申告の承認を受け、帳簿を付けている(簡易な簿記でよい) 届く。売上・仕入帳の形で足りる
55万円 正規の簿記の原則(一般には複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を申告書に添付し、期限内(翌年3月15日)に提出 理屈では届くが、Excelで複式簿記と貸借対照表を自作するのは現実的でない
65万円 55万円の要件に加えて、e-Taxで申告するか、仕訳帳と総勘定元帳を優良な電子帳簿として保存する e-Taxの道なら、複式簿記さえできれば届く。優良な電子帳簿の道はExcelでは無理

要するに、10万円控除までがExcelの守備範囲です。 55万円・65万円は複式簿記が前提で、そこからは会計ソフトの領分になります。 65万円のほうは「優良な電子帳簿」でなくても、e-Taxで申告すれば届きます。

Excelの帳簿は「紙で保存」が一番簡単

Excelで帳簿を付けたとき、保存の仕方は2つあります。

  1. 印刷して紙で保存する。これが一番簡単で、要件も紙の帳簿と同じです。
  2. Excelファイルのまま保存する(電子帳簿等保存)。自分でパソコンで最初から作った帳簿は、一定の要件のもとで電子データのまま保存できます。2022年からは事前の承認が不要になりました。

2の「一般の電子帳簿」の要件は、大まかに言うと「システムの説明書類を備えておく」「画面やプリンタですぐ読める状態にしておく」「税務署からデータのダウンロードを求められたら応じる」の3つです。 Excelでも満たせますが、迷ったら印刷して紙で残すほうが確実です。

一方、65万円控除の道の1つである「優良な電子帳簿」は、訂正・削除の履歴が残ること、帳簿どうしの関連が追えること、日付・金額・取引先で検索できることなどが要件で、 事前の届出も要ります。普通のExcelでは訂正の履歴が残らないので、ここには届きません。これは会計ソフト側の機能です。

気をつけたい1つのこと:仕入と売上原価は違う

売上・仕入帳の「粗利」は、その月の売上からその月の仕入を引いた数字です。日々の把握にはこれで十分ですが、 確定申告の所得計算では、年初と年末の在庫(棚卸)を考えに入れます。仕入れて売れ残った分は、その年の原価にはなりません。 Excelの帳簿をそのまま申告に使うときは、年末に在庫を数える工程が別に要ります。 (粗利と手残りの違いにもう少し書きました)

私の整理

会計ソフトの候補は、売上・仕入帳のページの下に置いています(広告リンクには【PR】と書いています)。

参考にした資料

制度は変わることがあります。金額や要件は、申告する年の国税庁の案内で確かめてください。