粗利と手残りは違う
売上・仕入帳「月のまとめ」の見方

2026年9月27日

売上・仕入帳の「月のまとめ」には、売上・仕入・粗利・経費・手残りが並びます。 この表は引き算しかしていません。だから速くて分かりやすい代わりに、入っていないものがあります。 それを知ったうえで見ると、この数字はかなり役に立ちます。

表の上から順に

行計算意味
売上日々の売上の合計(現金+カード・電子マネー+その他)その月に売った金額
仕入仕入・経費シートで区分が「仕入」の合計その月に買った商品・材料の金額
粗利売上 − 仕入売って残った分。ここから経費を払う
粗利率粗利 ÷ 売上100円売って何円残るか。業種でだいたい決まっている
経費区分が「経費」の合計(家賃・光熱費・消耗品など)売れても売れなくても出ていく分
手残り粗利 − 経費その月の記録上、手元に残った分

手残りに入っていないもの

「手残り」の数字を見て「今月はこれだけ儲かった」と思うと、少しずれます。次のものが引かれていません。

だから「手残り」は、月の商売の調子を見る数字であって、口座の残高でも、申告する所得でもありません。 3つは別のものとして見るのが、一番まちがいが少ないです。

それでも、この表で分かること

粗利率が動いたら、何かが起きている

粗利率は、同じ商売なら毎月あまり変わりません。急に下がったら、仕入値が上がったか、値引きが増えたか、在庫を積んだかのどれかです。 「今月は売上が良かったのに手残りが少ない」というとき、粗利率を見ると理由が絞れます。

1日あたりの売上と、営業日数

月の売上は営業日数で大きく変わります。31日の月と、休みの多い月を比べても意味がありません。 「1日あたりの売上」で比べると、本当に良くなったのかが分かります。

客単価

売上 ÷ 客数。売上が増えたとき、人が増えたのか、1人あたりが増えたのかで、打つ手が違います。 客数を毎日書くのは手間ですが、この1列があると見えるものが増えます。

曜日別

曜日ごとの売上と1日平均が出ます。定休日をどこにするか、人を入れる日はどこかを考えるときの材料です。 1か月分では偏りが出るので、数か月分を見てから決めるほうが安全です。

掛け(まだ払っていない分)

仕入・経費で「掛け(あとで払う)」を選んだ金額の合計です。手残りが出ていても、この分は来月出ていきます。 月末にここを見て、来月の支払いに足りるかを確かめるのが、この行の使い道です。

この表を「把握用」に留めている理由

上に書いたものを全部きちんと入れると、それは複式簿記の帳簿になります。それは会計ソフトの仕事で、Excelの表でまねをすると必ずどこかが壊れます。 この表は、レジ締めのあとに1行書ける軽さを優先して、引き算だけにしてあります。 「月の調子を見る」「来月の支払いに足りるか見る」までがこの表の役目で、申告と税金の計算は会計ソフトか税理士に渡す、という分け方です。